公開日:2017/05/12 最終更新日:2017/06/12

リンパが滞る原因は?リンパがつまると身体のどこに影響する?

リンパという言葉を耳にしたことがある方が多いと思いますが、体の中でどのような役割をしているのかご存知の方は少ないのでしょうか。今回は「リンパ」の役割や流れが滞ることで考えられる身体への影響について解説します。

リンパって何?どんな役割があるの?

全身を張り巡るリンパって何者?

リンパは、血管と同じように全身を張り巡る「リンパ管」、その中を流れる「リンパ液」、そしてリンパ管の合流部分「リンパ節」から成り立っています。

「リンパ液」は血液中にある「血漿(けっしょう)」と呼ばれる成分の一部が、血管の外に染み出てリンパ管に回収されたものです。つまり、「リンパ液」を作る器官があるのではなく、身体中で少しずつ血液が「リンパ液」になっているのです。

リンパ液は無色透明な液体ですが、リンパ管を通り体中に新鮮な酸素と栄養素を届ける働きがあるため、「第二の循環器系」として機能しています。よく「リンパが滞る」と耳にすると思いますが、それはこの「リンパ液」の流れが滞ってしまっているという事なのです。

リンパって何のためにあるの?

リンパには大きく2つの役割があります。

1つは体内の老廃物や疲労物質を取り除く役割です。老廃物は通常、静脈を通って心臓に戻りますが、入りきらなかったものがリンパ管に入り、リンパ液となって心臓へと送られていきます。

2つ目は、体内に侵入した細菌やウイルスを退治し感染症を防ぐ役割です。体内に侵入した細菌やウィルスはリンパ液により回収されリンパ管を通ります。そして、フィルターの役目であるリンパ節によって細菌やウィルスはせき止められ、全身に回らないようにここで退治されます。

風邪を引いたときなどに首筋が腫れることがありますが、これは首にリンパ節があるためです。

リンパ液はどうやって流れているの?

血液は心臓がポンプの役割を果たして全身にめぐっていきますが、リンパ液はどのように流れているのでしょうか?

実はリンパ液は、リンパ管を取り巻く筋肉の収縮によって自発的に流れています。心臓は常に動いていますが、全身の筋肉は常に動かしているわけではないですよね。つまり、運動不足の時など筋肉の動きが悪いとリンパ液の流れが悪くなってしまうのです。

そしてリンパの流れの停滞は、むくみや肩こりなど身体の様々な不調につながっていきます。

主なリンパ節の場所

身体にある主なリンパ節の場所は次の通りです。

  • 耳下腺(耳下腺)リンパ節:耳の付け根の前付近
  • 頚(けい)リンパ節:首筋
  • 鎖骨リンパ節:鎖骨の上の少しくぼんでいる部分
  • 腋窩(えき)リンパ節:脇の下付近
  • 腹部リンパ節:へその周辺部分
  • 鼠径(そけい)リンパ節:太ももの付け根部分
  • 膝窩(しっか)リンパ節:ひざの裏側

特に膝窩(しっか)リンパ節は「第二の心臓」と呼ばれることもあり、とても重要な場所です。リンパ節は、老廃物をせきとめろ過し、抗体や免疫を作る役割があります。この部分を重点的にマッサージすることでリンパの詰まり改善に効果があるとされています。

リンパがつまると身体にどんな影響がある?

むくみで脚がパンパンに張る

立ちっぱなし、または座りっぱなしなど同じ態勢で長時間過ごしていると足がパンパンに張ってくることがありますよね。リンパには細胞内で不要になった水分を循環させる役割があるので、長時間動かないでいるとこの流れが詰まってしまいます。そして水分が身体の中に溜まり、むくんでしまうのです。

定期的にマッサージやストレッチを行い、身体の筋肉を意識して動かすようにすることでリンパの流れを促し、むくみの症状を改善する効果が期待できます。

慢性的な肩こり

肩こりは筋肉の緊張と血行不良が主な原因といわれています。デスクワークや車の運転など長時間同じ態勢を続けていると肩がこりますよね。筋肉の緊張状態が続き、血流が悪くなった時、疲労物質である「乳酸」が溜まり始めます。

リンパは筋肉の動きによって流れ、疲労物質を回収・運搬していきます。つまり、筋肉が緊張してしまうとリンパの流れが悪くなり、乳酸を回収することも出来ず疲労物質が蓄積され続けてしまうのです。

これは肩こりが慢性化してしまう原因にもつながってしまいます。マッサージやストレッチなどで筋肉をほぐすと一時的に症状が改善されたように感じますが、肩の筋肉は全身の筋肉ともつながっているため、身体全体のバランスを考えて姿勢や生活習慣などを改善することが大切です。

くすみやニキビなどの肌トラブル

リンパの流れが滞ると、肌にニキビが出来たり、くすみやしわ、乾燥など、さまざまな肌トラブルが現れます。

これは、本来であればリンパがいらなくなった老廃物を回収し、運搬することで体外に排出されますが、流れが滞ることによりどんどん老廃物が溜まってしまいます。溜まった老廃物が血管やリンパ管が圧迫し、血行不良やリンパの流れを滞らせ、肌トラブルを引き起こしてしまうという悪循環に陥ってしまうことも。

毎日のスキンケアの際に、溜まったリンパを流すような感じで、優しくマッサージをすると肌荒れ改善の効果が期待できます。

セルライトが増えて肥満体質に

リンパ液の流れが滞ることにより回収されなかった老廃物が体内の脂肪と合体すると「セルライト」になります。皮膚の表面を掴んだ時に、表面に凸凹したものがあればそれがセルライトです。

このセルライトは普通の脂肪よりも分解しにくいため、簡単には無くすことはできません。さらに、セルライトは脂肪細胞と合体し肥大化していくため、リンパや血液の流れを阻害し滞らせるとう悪循環となってしまいます。

セルライトの解消方法としては、食事制限や運動といった一般的なダイエットだけでなく、血行を促進させるように揉みほぐし、溜まった老廃物を流れやすくするのが効果的とされています。

リンパが滞る原因と対策

運動不足

リンパ液はリンパ管を取り巻く筋肉が収縮する動きによって流れています。運動不足によって筋肉の動きが少なくなると、リンパを流すために必要な筋肉の動きも悪くなり、流れが促されにくくなります。

適度な運動によって筋肉を動かすことは、リンパの流れを促進させるために効果的とされています。ライフスタイルによってはなかなか運動に時間を割くことが難しい場合もありますが、簡単なストレッチやマッサージといった隙間時間にできるちょっとした心がけによって、リンパの流れを促す効果が期待できます。

自律神経の働きを悪くする「ストレス」

自律神経は、心臓の拍動や胃腸の働き、ホルモン分泌や体温調整など、人間が生命を維持するために欠かすことができない動きをコントロールする役割があります。この自律神経は脳にある視床下部によって調整されていますが、ストレスは自律神経の働きに影響をあたえるといわれています。

つまり、心身にストレスを受けると自律神経の働きが低下し、リンパの流れを滞らせてしまいます。現代はストレス社会と呼ばれることがあるように、日々の生活でストレスが徐々に蓄積されがちです。ゆっくりお風呂に浸かったり、深呼吸をするなど、ストレスを緩和させながら規則正しい生活を心がけることが大切です。

多くの女性が抱える悩み「冷え性」

多くの女性が悩まされている冷え性。冷え性は手と足の先端が慢性的に冷えているような感覚がある状態のことです。この冷え性とリンパの滞り深く関係があります。簡単にいうと、冷え性になるとリンパの流れが滞り、リンパの流れが滞ると冷え性になるという悪循環に陥ってしまいます。

冷え性は、体温調節機能がうまく働いていない状態とされています。人間は体温が下がると血管が縮んで体温を維持しようとします。しかし、血管が縮むと血流が悪くなり、冷え性の原因となってしまうのです。この体温調整機能を活性化するために、リンパのスムーズな流れが必要になります。

ゆっくりとお風呂に浸かって体の芯までしっかりと温め血行を促進させたり、マッサージでリンパの流れを促すことによって、リンパの詰まりや冷え性改善に効果が期待できます。

身体の6割を占める「水分不足」

私達の身体の6割は水分で出来ていると言われています。リンパには老廃物や水分を運ぶ役割がありますが、水分が不足するとリンパ液の流れが悪くなります。すると、水分代謝が悪くなり、老廃物が身体の中に溜まりがちになってしまいます。

同時に、水分不足は血液をドロドロにしてしまう原因にもなるため、適度な水分補給は血液の循環を良くするためにも大切です。朝起きた後や、昼食時、入浴前といったタイミングで適度な水分補給を心がけましょう。ちょっと習慣を変えるだけでリンパの滞りを解消するだけでなく、血液もサラサラに循環しやすくする効果が期待できます。

スムーズなリンパの流れは健康への第一歩

リンパは私達の身体にとって重要な役割を担っています。

  • リンパは、老廃物などを回収・運搬し、細菌やウィルスを退治する
  • リンパの流れが滞ると、むくみや肩こりや肌荒れ、肥満といった体の不調の原因になる。
  • 筋力の低下や自律神経の乱れはリンパの流れを滞らせる

適度な運動やマッサージなど手軽にできる方法でリンパの滞りを防ぎ、すっきり、健康的な身体を手に入れましょう。

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